自作ソフトウェアのライセンスを販売・管理するプラットフォームとして、WordPressは優れた選択肢です。この記事では、WordPressを使ったライセンス配布システムの構築方法を解説します。
なぜWordPressなのか
WordPressは世界中で最も使われているCMSであり、ソフトウェアライセンス販売においても多くの利点があります。
- プラグインが豊富で拡張性が高い
- WooCommerceで本格的なECサイトを構築可能
- カスタマイズの自由度が高い
- 運用コストを抑えられる
- 自社でデータを完全に管理できる
基本構成
ライセンス配布システムの基本的な構成は以下の通りです。
必要なプラグイン
- WooCommerce(販売機能)
- License Managerプラグイン(ライセンス生成・管理)
- カスタム開発のプラグイン(独自機能)
データフロー
- ユーザーが商品を購入
- 決済完了後、自動でライセンスキーを生成
- ダウンロードリンクとライセンスキーをメール送信
- ユーザー情報とライセンスをデータベースに保存
WooCommerce連携の実装
WooCommerceのフックを活用することで、購入プロセスに独自の処理を組み込めます。
注文完了時の処理woocommerce_order_status_completedフックを使用して、注文完了時にライセンスキーを自動生成できます。生成したライセンスキーは、注文のメタデータとして保存し、顧客アカウントページで確認できるようにします。
ライセンスキーの生成 セキュアなランダム文字列を生成し、商品ID、購入日、ユーザーIDなどの情報と紐付けます。フォーマットは「XXXX-XXXX-XXXX-XXXX」のような読みやすい形式がおすすめです。
セキュアなAPI設計
デスクトップアプリからライセンス認証を行うためのREST APIを実装します。
認証エンドポイント ライセンスキーの検証、アクティベーション、デアクティベーションのためのエンドポイントを用意します。API通信は必ずHTTPSで行い、リクエストには署名やトークンを付与してセキュリティを確保します。
レート制限 ブルートフォース攻撃を防ぐため、IPアドレスごとのリクエスト数を制限します。WordPress Transients APIを使えば、簡単に実装できます。
ログ記録 認証の成功・失敗、アクティベーション履歴などをログとして記録し、不正利用の検知に役立てます。
ユーザー管理画面
購入者が自分のライセンスを管理できるマイページを構築します。
表示する情報
- 購入したライセンス一覧
- アクティベーション状態
- アクティベーション履歴
- ダウンロードリンク
- サポート期限
機能
- ライセンスのアクティベーション解除(端末変更時)
- ライセンスの再発行(紛失時)
- アップデートファイルのダウンロード
データベース設計
効率的なライセンス管理には、適切なデータベース構造が必要です。
カスタムテーブル WordPressの標準テーブルに加えて、ライセンス専用のカスタムテーブルを作成します。ライセンスキー、商品ID、ユーザーID、発行日、有効期限、アクティベーション情報などを管理します。
インデックスの最適化 ライセンスキーやユーザーIDには必ずインデックスを設定し、検索パフォーマンスを確保します。
メール通知システム
購入者へのコミュニケーションは重要です。
送信するメール
- 購入完了メール(ライセンスキー、ダウンロードリンク)
- ライセンス有効化通知
- サポート期限切れ通知
- アップデート情報
WooCommerceのメールテンプレートをカスタマイズするか、独自のメール送信処理を実装します。
セキュリティ対策
ライセンス情報は重要なデータです。以下の対策を実施しましょう。
- データベースへのアクセス制限
- SSL/TLS証明書の導入
- 定期的なバックアップ
- ログイン試行回数の制限
- 二段階認証の導入(管理者)
まとめ
WordPressとWooCommerceを組み合わせることで、本格的なライセンス配布プラットフォームを構築できます。初期投資を抑えつつ、拡張性の高いシステムを実現できるのが大きな魅力です。
既存のプラグインをベースにしながら、必要な機能をカスタム開発することで、自社製品に最適化されたライセンス管理システムを作り上げましょう。